倉沢良弦『ニュースの裏側』

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基礎疾患患者を守れ!

活動自粛と補償をセットにすべきだ、という議論には大いに賛同できる。
いち早く困窮する人々に手を差し伸べることは必須で、それには全く同意できる。何より、COVID−19の死者を先進国中最低に抑えている医療現場の努力が、病気以外の原因で死者が増えてしまっては、何の意味もない。
PCR検査のあり方については、可能な限りやれという意見と、医療現場の崩壊を防ぐ意味で、クラスター対策のための検査に留めるべきだという意見が二分している。専門家会議は、全数検査を起こして医療現場を崩壊させるくらいなら、クラスター対策に絞った方がいいと、対策本部を立ち上げ一つ一つ潰していく道を選んだ。これは、最初期に完全に海外渡航者をシャットアウトした台湾を除き、他のどの国でも行われていない。一つには、到底追跡できるものではない、というものだからだ。それを、政府の全面支援を受けた対策チームは、ここまでやり切ってきた。
それが、死者数の少なさに現れている。Chinaからの渡航者に制限を加えなかった日本政府は、今更入国を制限したところで、どうしようもない。それなら、比較的感染者が少なかった時期に日本に入国したChina人なら、徹底的に追跡可能なのではないか?と考えたのだろう。しかし、これは当たり前だが、感染者と濃厚接触者に協力を求めることになり、また2週間の経過観察等、ある程度の苦労を強いることになる。国民の協力なくしてこの作戦は実現しない。最初期、日本政府が選択した手法についてマスコミ、自称識者、テレビコメンテーターは一斉に反発した。ここについては、日本政府の国民に対するコンセンサスが足りなかったのは確かだ。
私は、何だかわからないウイルスに対し、最大限の取り組みは当然としても、例えば2月下旬頃よりこのウイルスの正体が明らかになるにつれ、実は第二類指定感染症のままいくことが、実は医療崩壊の危機を招くのではないか?との指摘を行なってきた。
これも繰り返し言ってきたが、今すぐに第二類指定感染症から外すということではなく、従来の季節性インフルエンザと同程度の扱いをするだけで、医療現場の負担がたちどころに軽減することが分かっている。メディアはやたらに感染者数の増加、死者数の増加を報道するが実はこのウイルスは既に日本国内に広く蔓延していて、発症することなく抗体が生まれている人もいるはずだ。というか、そう考えるのが自然である。
であるならば、今最も懸念すべきは、基礎疾患の罹患者が医療を受けられない事態を絶対に避けなければならない、ということだろう。
特に、定期的な薬の服用の必要がある病人を抱えている方、呼吸器疾患を抱えている家族がいる方は健康な人々以上に不安な日々を送っているはずだ。
横浜では、新型コロナ自粛に反対する小規模なデモがあったと報じられ、東京都内ではツイッターによって呼び掛けられた連中が、4月12日に都内でデモを行った。
いずれも、自粛と補償はセットだとの言い分で、要は金よこせと叫んでいるのだ。
むしろ、これらの具にもつかない愚か者は、政府方針についての追い込みでもかけているのだろうが、それを見る人々には違和感しかないだろう。
結局、安保法制やモリカケ問題が表面化した時に、国会前で騒いでいた連中と、同じ空気感を味わっているはずだ。
実際、Twitterを見ていても同じ現象だと言える。野党とその支持者と言われている人々が、騒いでいるに過ぎない。この異質感はどこから来るのだろうか?
それも、政府も東京都も更なる自粛要請を行った直後に、行うのである。それが、民意を発揚するとでも思っているのだろうか?
立花隆志氏は、選挙に立候補し地方議員の議席数の確保を行うことで、政党助成金を交付されることで政党の活動を維持する手法をとっている。そういうやり方で当選を目的とするのではなく、立候補をすることで主張を広く国民に知らせるというやり方をとる選択肢もあれば、国民から反発だけを買う無意味なデモ、ほとんど反社会的とも言えるデモを行って、ますます国民に気持ち悪さを撒き散らすやり方もある。
それは各人各様だが、まず最初に考えなければいけないのは、この感染症が本当に命取りになる基礎疾患患者がたくさんいる事実を、まず知ることだと思う。
感染拡大防止は当然だが、軽度であっても第二類指定感染症患者になってしまうと、それら基礎疾患患者のベッドや病院を奪うことになるのだ。
今は、そちらの方が問題だ。