倉沢良弦『ニュースの裏側』

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日米の蜜月時代

日韓関係の冷え込みは、日本経済よりも韓国経済に与える影響の方が、比較にならないほど大きい。

半導体や液晶関連の生産で勢いづいた韓国経済であるが、今回のフッ素化合物輸出に関する日本政府の対応は、それらの生産企業に大ダメージを与えることになった。

保釈中のSAMSUNG会長が、通常では考えられないが韓国を出国し、日本企業に接触したとの情報も流れ、韓国政府は間接的に今回の日本政府の措置が民間企業間の取引に口を挟んだからだ、という既成事実化に懸命だ。

これに前後して、米中間の貿易摩擦に関して、中国通の深田萌絵氏が、中国が建設を進めている原子力発電所に関しての情報を流している。

 

https://youtu.be/QljBPgNXPA0

 

米国の対中経済制裁の中で、原子炉建設にあたって重要な部品を米国から輸入していたのだが、それに規制がかかり輸入されなくなっているようなのだ。

日本が重要品目の輸出規制について、韓国への優遇措置を廃止し、通常の輸出手続きを経るよう変更を加えたことと、さらに韓国が輸入したフッ素化合物を他国に輸出していた実態もスクープされた。

 

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/190709/for1907090001-n1.html

 

韓国政府はWTOへの提訴に踏み切ると表明し、WTOにおける非公表会合において、日本の輸出規制は二国間に於ける政治問題に対しての報復措置であると訴えたようだ。

ここで、下世話な憶測をすると、日本政府が規制に関しての見解を出した当初から、世耕経産相は一貫してこれは重大な安全保障上の問題であると言っていた。言い換えるなら、日本の問題のみならず世界の安全保障上の問題でもあると言っているようなものだ。

つまり、日本政府は早くからこれらの情報を掴んでいて、情報開示を温存していた可能性が高い。

更に邪推するなら、日本政府とアメリカ政府は水面下で情報共有し、G20の場でも暗にこれらを習近平に伝えていたのではないだろうか?

既に、米中貿易の点でジリ貧状態である習近平が、トランプが金正恩に会いたい旨を伝え、習近平文在寅をプッシュしたとすれば、最早、習近平の子飼いであるはずの金正恩文在寅は、日米の包囲網のトラップにかかってしまったと考えれば、色々なことに辻褄が合う。

韓国政府内の事務方と日本政府の事務方も、当然だが水面下で接触はしていて、日韓関係の改善に向けての擦り合わせは行われているだろうが、韓国が強気の姿勢を崩さなければ、日本政府は次の一手、更にその次も用意がある旨を伝えている筈だ。

これまで、日本政府は交渉相手の立場を慮って、どのような外交上の交渉においても相手を嘲笑したり、蔑むような態度はしてこなかった。また、常に日本の側が交渉上不利になると思われる条件を飲んできた。

それらは全て日本の国益を長期的な視点に立って考慮してきたからに他ならない。

ここで、外交上の外堀を埋めて行く為の足がかりを、トランプ大統領安倍総理を軸に日米の実務者協議を進めてきたとしたらどうだろう?

G20に参加する首脳たちはバカではない。

各国にはインテリジェンス部門もある。

G20での日米首脳の表向きの動きと水面下の動きは、各国首脳に大きな影響を与えた筈だ。

その後のアジアにおける一連の動きは、他国では真似出来ない芸当だと思う。

習近平文在寅金正恩は、見事にその術中にはまっている。

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