倉沢良弦『ニュースの裏側』

いろいろ、書いてます。お仕事のご依頼は、ryougenkurasawa@gmail.com。

韓国への経済制裁の裏側

#応募工 と言ったり、#徴用工 と言ったり、国の事情でその呼び名が変わっている募集工問題。

既に1965年の #請求権協定 により、日本は多額の賠償金を支払うことで、問題は解決済みとの両国の理解で共通していたはずですが、個人の請求権は失していないという韓国の大法院(最高裁にあたる)の判決が下りたことで、原告である当時の徴用工と呼ばれる人たちと、その代理人が、韓国国内の日本企業の資産差し押さえに踏み切りました。

日本政府は対抗措置として、日本が世界シェアの8割を持っている三種のフッ素系化合物の輸出に対し、それまでの規制緩和を解除し、新たな方針を示しました。

下記三品目は、半導体等の製造過程において必要不可欠なものです。

 

① #フッ化ポリイミド

② #レジスト

③ #エッチングガス(フッ化水素

 

これらのフッ素系化合物は、比較的製造は容易ですが、軍事転用の恐れがあるため、製造と輸出入に厳格な規制が設けられています。

多くの方が勘違いをされているのが、今回の経済制裁は徴用工裁判の結果を受けたことによる対抗措置ではない、ということです。その点は日本政府も公式見解を示しており、ポイントは二つあります。

 

①上記三製品について韓国の輸入量の急激な増加

②国際条約違反の懸念

 

現在の文在寅政権以後、上記三製品が急激に輸入量が増加しています。輸出規制を緩和したホワイト国指定を解除した経緯については、経済産業省が正式なブリーフィングを発表しています。

 

https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190701006/20190701006.html (原文)

 

https://www.meti.go.jp/english/press/2019/0701_001.html (英文)

 

また、英文でも同じ内容を公式サイトに載せており、中身を精査すれば、日本政府の意図は明白です。

曰く、日本政府は日韓請求権協定に基づき、順序立てて交渉を行なってきたにも関わらず、韓国側が協定に従った対応を執ってこなかった点や、国家間における実務者協議の開催が行われていないこと。また、日韓における輸出規制緩和対象品目に関して、協定違反に該当するような著しい懸念が見られるため、従前の規制緩和を解除し、正式な手続きを踏まえた本来の形に戻したということだけです。

 

韓国政府はSamsungを初めとする韓国国内のIT系製造業に対し、今回の日本政府の方針に基づき、何らかの説明を行ったようですが、文在寅政権への不信感は増しているのが実情でしょう。

当然、、上記三品目については、中国からの輸入も行なっており、そちらの取引量が増大することは容易に想像できます。これについて、中国が漁夫の利を得たという見方もできますが、この機に乗じて価格の吊り上げも行われるでしょうし、また中国国内企業の生産量の増加が果たして可能か?との指摘もあります。

また、これらの品目について、韓国政府が1000億円の予算措置を行い、韓国企業による内製化を目指すという報道もあります。しかしながら、化学製品の製造プラントを一から作るというのは、韓国政府が想定している以上の予算規模になるでしょうし、韓国の国内企業にも応分の負担を強いることにもなるでしょう。

既に、韓国国民から、文在寅政権の対応のマズさも指摘されはじめています。

文在寅政権の対応に注目が集まります。

<script data-ad-client="ca-pub-1942370731701531" async src="https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"></script>