倉沢良弦『ニュースの裏側』

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何故、自民党と日本政府の動きが一致しないのか?

自民党の二階幹事長は、China閥議員の筆頭格のような方で、毎年、多くの議員を引き連れてChina詣でを繰り返している。
この点、ネット上では多くの批判的な意見が見られるが、筆者は別の見方をしている。
但し、あくまでも推論の段階なので、そのつもりで読んでもらいたい。

現在、自民党の二階幹事長は、Chinaの孔鉉佑駐日大使と会談し、自民党としてできうる限りの支援を行うと申し入れをした。これに対し、二階幹事長のChina寄りの姿勢は政府方針をブレさせるものとの見方が多く、ネット上にもそのような意見が散見される。
また、具体的にはChina国内の都市との姉妹都市関係にある市の自民党議員を通じて、積極的なマスクや感染症用防護服の保管分の一部を提供するよう地元自治体に働きかけている。
大きくは、小池東京都知事に防護服10万着の提供を申し入れ、小池知事はそれに応じた。
つまり、二階幹事長は自民党幹部として政府とは別にChinaへの協力を党派議員を使って行ったことになる。
一方、政府は武漢市から邦人600名をチャーター便を飛ばして、帰国させることに成功した。この動きは、どの諸外国よりも早く、しかも邦人の住居地まで送迎バスを準備し、空港までの陸路をも確保することに成功した。政府は一部公式に、今回のチャーター便にChinaへの支援物資を積んで飛ばしたことを認めており、それらの迅速な動きが武漢市在住邦人の早急な帰国実現に繋がった。
また現在、湖北省から訪日するChina国民については入国制限を行なっているが、邦人に関しては速やかな帰国と感染者が出た場合の治療体制を急ぐと共に、新型コロナウィルス検知器具の全国普及に向けてメーカーと全力で取り組んでいる。
横浜沖に停泊するクルーズ船からは、次々に感染者が出ているが、これは船内という閉鎖空間での集団感染であり、船内で検疫作業を行なっている検疫官と物資補給にあたっている自衛官、そして厚生労働省は全て想定内の範囲であるとして、対応にあたっている。
問題は、既に日本国内各地を移動したChinaからの訪日客の中で、どれだけの感染者がいたのか?という点であるが、厚生労働省は300人体制で各自治体と保健所と協力し、検疫対応にあたっていて加藤厚生労働大臣は地上波でその現状を報告している。

対応の遅れが指摘されていたWHOは、China政府と協力してウィルス封じ込めを行い、各国には冷静な対応を求める一方でWHOの専門家を武漢市をはじめとした湖北省に派遣し、具体的な対応にあたるとしており、WHO加盟各国に資金面での協力を要請した。
その際、日本政府はどの加盟国よりも早く10億円を拠出すると表明した。この日本政府の反応の速さは、China以外では最も多くの感染者を出しているからだ、との見方もあるが、一方で筆者は別の見方をしている。
1月30日の予算員会の時点で、既に感染の可能性がある者と、複数の感染者を出している台湾をWHOの対策会議に参加させるよう、WHOに要請していることを安倍総理が答弁した。
WHOは新型コロナウィルス対策の為の緊急会議を、2月11日〜12日に、WHOがあるジュネーブで開催すると発表し、台湾を感染者が発生している地域として会議に参加させると表明した。
Chinaは今のところ、これに異論を唱える動きを見せていない。

ここからが、筆者の邪推であるが、日本政府はChinaへの支援物資はチャーター便以外、公式にはどれだけの物資の動きがあったかは明言していない。
そして、世界からの批判を受け対応に苦慮したWHOの呼び掛けに、10億円の資金協力で応じた。アメリカは早くからChina中央政府を介さず、直接、台湾の状況調査に関わるようWHOに圧力をかけてきた。
日本政府の姿勢は、1月末の時点で国会で正式に表明している通りだ。
ところが、習近平国賓来日を控える日本政府は、直接的に台湾をWHOの会議に参加することに圧力をかけることは出来ない。何故なら、メンツの国Chinaに対し、これまでの日本政府のように日本側から「国賓来日を延期してはどうですか?」とは言わない。それを言うなら、とっくに実務者協議の中でそのように言っているだろう。つまり、正式な形で習近平国賓来日を延期する、とChina側に発言させることが大事だ。
その裏側で、日本政府の立場ではない自民党のNo.2が、出来る限りの支援を申し出る。
この飴と鞭の戦略があると思えてならない。
一つには、まだ在中邦人12万人が、China国内にいる。停止状態にある日本企業の工場再開の目処は全く立っていない。
その厳しい状況の中で、ようは企業資産と邦人を人質にとられている状態に近い。
日本政府は、今回の新型コロナウィルス問題が長期化すれば、最悪の場合、在中邦人全員帰国も考えなければならない。
Chinaにしてみれば、邦人全員帰国といった事態になれば、新型コロナウィルス封じ込めに失敗した習近平政権と、国内外の批判を浴びる事態は絶対に避けたい。そこで、ジリジリと邦人保護と台湾との国交、WHOにおけるChinaの影響力を抑え込むと言った狙いで、日本政府と自民党とが温度差があるような動きをしているのではないだろうか?
二階幹事長は何かと国内の保守派に批判されがちだが、幹事長は安倍総理4選を推し進めている。

筆者の見方は深読みのし過ぎだろうか?