倉沢良弦『ニュースの裏側』

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山本太郎は何者か?

今回の参議院選挙で注目を集めているのが、1期生の山本太郎氏だ。

街頭に出て様々なデータを示しながら、消費税廃止や最低賃金1500円、ハンデキャップ当事者の国会送り出し等、インパクトのある主張を展開している。

また、MMT理論に基づく財政出動で、景気回復を図る経済政策も打ち出している。

いずれも実現性に乏しい政策であるが、低所得者層の有権者へのウケはいいようで、今回の参院選にあたり訴えていた寄付金が1億以上集まった。

また、障がいを持つ2名の候補者を「れいわ新選組」の名簿順位1、2位に置き、山本自身は名簿順位3位で党代表でありながら当落線上に身を置いて、背水の陣を引いている。

ツイッター上で彼の支援者の声を拾うと、街頭演説に感動したとか政見放送を見て感銘を受け、何としても山本を国会に再び送ろうと呼びかけている。

私は、以前から、彼の経歴に基づき、冷静な判断をすべきだと言ってきた。

彼は元役者である。またタレントとして多くの番組に出演し、自分がどう発言し、どう動けばいいのかを心得ている。良い悪いではなく、それが身についているのだ。

確かに、今話題になっているMMT理論に基づく経済政策等、現実味のある政策を打ち出すことで、あるいは実社会の経済状況に置き換えることで、有権者に訴える力にはなっているだろう。

ただ、安易に彼の主張を肯定出来るか?は、甚だ疑問がある。

MMT理論を推し進めた経済政策を批判する経済学者は数多いし、マクロ経済学の専門家も疑問を投げかけていて、MMT理論が打ち出の小槌ではないこと指摘している。

 

 

障がいを持つ方を国会に送り出し、国会内のバリアフリー化を目指すというのも、確かに当事者の声を反映させたより障がい者に優しい社会の実現を目指す方向性として、現政府の進めている政策にも通ずるものもあり、有権者の誰一人その趣旨を否定は出来ない。

ただ、政策の推進は必ずしも当事者である必要は無いのではないか?議論を喚起する視点もあるが、私は否定的だ。

また、斜め横から見ている有権者は、結局、1、2位の当選者は辞退して落選した山本を繰り上げ当選させる作戦ではないのか?社会の注目を集めるだけの集票マシンではないのか?と邪推する者もいる。

 

山本の主張が間違っていることを言いたいのではなく、その手法によって信奉した支持者が、結果的に裏切られたと感ずるような選挙結果にならなければよいと思っているだけだ。

私の見立てが現実のものにならないことを祈っている。

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