倉沢良弦『ニュースの裏側』

いろいろ、書いてます。お仕事のご依頼は、ryougenkurasawa@gmail.com。

私がイメージするツイデモ参加者の日常

#コロナショック は経済ショックだと再々、言ってきた。

SARSCoV−2による感染症 #COVID−19 は、季節性インフルエンザより高い致死率、感染力は季節性インフルエンザよりも劣る、ということも分かってきた。

遺伝子変異が著しく、その意味では、少々ややこしいウイルスであることも分かっているし、基礎疾患患者や呼吸器疾患、循環器系疾患を持っている人には感染自体が命取りになることも分かっている。日本では死亡者の多くは高齢者に偏っているが、中には若い世代の死者も、もちろんいる。海外では乳幼児の死亡も確認されている。

一方、これまでに様々な疾患で使用されてきた薬品で、目覚ましい効果を示すものが発見されたり、ワクチンの開発がかつてないほどのペースで進んでいる。

これらが順調に進めば、私たち人類は #SARSCoV−2 と共存していく道が見えてくるだろう。

人類がこのウイルスの抗体を獲得できれば、さほど恐れることはなくなる。それはもう間近だ。

 

前回の拙コラムで取り上げた、Twitter上で大騒ぎになっている #検察庁法改正案に抗議します は、多くの人が参加し、芸能人が拡散し、リベラル論壇が追従している。元々、自民党以外の政党支持者の多くは、リベラル志向が強く、差別、格差といった言葉に過剰に反応する人が多い。それはTwitterアカウントの語る日常を少し調べれば分かることだ。

彼らは #LGBT であったり、#非正規雇用 であったりする場合もある。

今回の検事長の定年延長問題と、検察庁の定年延長を同一視することは、今回の議論のテーマを見えにくくしてしまっている。

 

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sihou/kentoukai/seido/dai5/5siryou2.pdf

検察庁法(現行)

https://www.nippon.com/ja/news/yjj2020022200142/

改正案のポイント

 

今回の改正案について、公務員法規定に則り、検察官の定年延長を行うということで、それ自体が問題視されることでもなく、旧民主党時代から法務省内において検討されてきたことであって、今回、ツイデモで取り上げられている点は別の視点だ。

現在の安倍政権に近いとされる、黒川検事長の半年間の定年延長と、今回の検察庁法の改正のタイミングが重なり、しかも現在のコロナショックの真っ只中のことで、要はどさくさに紛れて政府が強行に法改正するのは、司法に対しての政府の介入ではないのか?という論調であり、その論陣を武器に、今回のツイデモ参加者は張り切って拡散をしているわけだ。

 

今回のツイデモの論調が、実際の改正法案の中身とは全く相入れないものであって、この二つを同列で論じるのは、安倍政権が自分たちよりの検察庁を作ろうとしている権力の濫用ではないのか?という誤解と言わざるを得ない。

今回の検察庁法改正案について、施行は2年以上先になる為、くだんの黒川氏は既に検察庁にはいないだろう。

いなくなる人と、その人に直接関係ない法律改正に関して一緒くたに、安倍政権の横暴だとか、独裁だとかの印象操作は、どうにも理解が出来ないし、その辺りを本来、新聞や地上波は正しい情報を発信すべきだ。ところが、メディアはツイデモで何百万回ツイートされたという話題性だけだ。もちろん、それを報じるだけでもいいのだが、その報じ方に、軌道修正とか正しい情報発信という意図が感じられない。

いかにも、騒いでいる人の背中を押している論調が続く。

 

では今回、左派リベラル政党とその支持者が何を問題にしているのか?と言われても、実はそれがよくわからない。Twitterのトレンド上位に今回のハッシュタグを置いておくという目的以上に、またいかにも安倍政権が何か悪いことをやっているかのような印象操作をする目的以上のものを感じられないのだ。

もちろん、匿名アカウントで行われていることに、具体的なデータを絞り込むことは難しいが、彼らの多くが賃金を含めた雇用を問題にしたり、差別や格差を問題にするということは、少なからずそこに問題意識を持っているということであって、これらのSNS上の人の意識については既に多くの研究データが公開されている。

特にTwitterのように文字数が少なく、リアクションを取りやすいSNSほど、その傾向が高い。

SNSで積極的に情報発信したり、リツイートを繰り返す人の多くは、あまり他人に関心がないことも分かっている。つまり、自分にしか関心がない、自分に関係することだから問題視するのだ。

そこから類推すると、今回のツイデモを積極的に行っている人ほど、コロナショックの中でドサクサに紛れて法案を通そうとする政権の横暴だ、という解釈だ。それはけしからん。煎じ詰めれば私が楽な生活してないのに、どさくさ紛れに何やってんだ!という論調に聞こえるのだ。

 

今回の方改正案についても、従来の検察庁法にしても、ちょっとややこしい法律上の表現方法さえクリアすれば、誰でも理解できる文章で書かれている。

今回、特に芸能人と呼ばれる人の多くが、安易にツイデモでハッシュタグを拡散しているが、その発言の要旨を見ると、どう考えても関連法に何が書かれているか知らないで発言しているとしか思えない。

フォロワー数が多い人ほど影響力が大きいので、特に有名人はよく理解した上での情報拡散が重要だ。

また、自分がフォローしているタレントが拡散しているからという短絡的な判断は、判断材料とは言えない。

ただ煽動に乗っているだけで、しかも数字だけを見てトレンドだー!と騒いでいる。

それはとても危険なことだ。