倉沢良弦『ニュースの裏側』

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2701ではなく2751こそが最高のトラウトロッドだという理由

私が生涯に亘って道楽としているのは、釣りだ。
何故、趣味ではなく道楽という言い方をするかと言うと、単純にカネを産まないからだ。
しかも、ルアーフィッシングというジャンルであるから、道具にエライお金がかかる。元々は、故則弘祐氏の『ブラックバス釣りの楽しみ方』という本に触れたのが発端で、ブラックバス釣りの楽しさを知ってしまったことが、釣りにのめり込むきっかけとなった。その後、開高健を知り、男は日本を飛び出して、世界中の未開の地で1匹の魚と渡り合うことこそが、人生のあるべき姿だと勝手に信じ込んだ。若い世代に有りがちな、勘違いというやつである。
ところが、人生の巡り合わせと言うのか、人の縁を通じてあれよあれよと言う間に海外赴任が決まった。
そこから、七転八倒の人生に陥るのだが、それでも釣りだけは道楽で有り続けた。
ブラックバスも素晴らしい魚であって、常にそばにいてくれる人生の友人であるのだが、アブラビレを持つマス族はそれとは違った感動を齎してくれる。十数年の海外生活で、仕事としては大したことをやってきたとは言い難いのだが、釣り人生は充実していたと言っていい。ハッキリ言って、仕事そっちのけで方々を釣り歩いた。その時にアブラビレを持つマス族との出会いが、私の釣り人生の求める先にあるものを決めたと言っていい。
そんなアホな人生を歩いている私が、生涯をかけて挑む価値があると思えたのが、北海道のマス族の釣りだ。
これは断言していいが、世界中でもマス族の釣り場としてはトップランクに位置付けられるのが、北海道の釣りである。

ワールドシャウラ 2751-F2

湖であろうが河川であろうが、はたまた海であろうが、アブラビレを持つ魚種に挑むことが出来る場所として、北海道以上の場所を私は知らない。そんな北海道のマス釣りにあって、7.5ftの竿は欠かすことのできない長さだ。河川であろうと湖であろうと、この長さなくしてルアー釣りは成立しない。
ルアーというジャンルにおいて、スプーンは必須のアイテムだ。スプーンはルアーの基本と言っていい。ルアー釣りの歴史を紐解くと実は、ルアーフィッシングの基礎はスプーンから始まっているのだ。そのスプーンでのルアー釣りにおいて、ルアーの動きとシルエットと重量バランスの絶妙さをコントロール出来るのが、7.5ftの竿なのだ。賛否両論あるのは、私も重々承知している。しかし、断固として私はこの長さの重要性に固執する。
かつて、ザウルスというメーカーが、トリュートという竿を出していた。そのトリュートが進化してトリュート・ペルフェという竿を出した。ティップの絶妙なしなり、重量に対して必要十分なベンドを描くこの竿は、私にとって最高の7.5ftであった。
その後、シマノがモンスターリミテッドという竿を発売した時、私にとっての最高の7.5ftはモンスターリミテッドに変わった。遠投に必要なトルクを確保しつつ、魚の動きに追従出来る曲を持つこの竿は、私の右腕になっていった。
そして、ルアーフィッシングのユーティリティーとして、最高の竿として登場したワールドシャウラが、その認識を一変させた。
道楽としての釣りの世界は、思う存分、自分の主観であっていいのだ。この、ワールドシャウラの7.5ftは、モンスターリミテッドを完全に凌駕した。
軽さ、トルク、魚への追従性、バットのパワーのどれをとっても、これ以上の7.5ftは出てくるのだろうか?
大いに道楽の世界を追求した、実に手前勝手な言い分だが、道楽であるからこその主張と理解して欲しい。