倉沢良弦『ニュースの裏側』

いろいろ、書いてます。お仕事のご依頼は、ryougenkurasawa@gmail.com。

2025-04-01から1ヶ月間の記事一覧

情報を“信じたい人”と“信じさせたいメディア” 報道の危うい共犯関係に警鐘を鳴らす

はじめに:「偏っているから危険」ではない 前回の拙稿で、『報道特集』という番組を通じて、メディアリテラシーと視聴者側のリテラシーの重要性について触れた。今回は更に深掘りして今の報道のあり方と情報の受け手である我々について深掘りしてみたい。 …

日本政治のトリレンマ③:強い野党の不在

日本政治のトリレンマ③:強い野党の不在 戦後日本の政治は、今の自民党が作り上げたと言っても過言ではない。1955年体制以来、日本の政界は一貫して自民党を中心に回り続けてきた。 一方で、野党勢力はどうだったかと言えば、まるで迷走する日本経済の縮図の…

日本政治のトリレンマ②:自民党的政策の構造

前稿「日本政治のトリレンマ①」では、現代日本政治の根底に流れる“官僚思考”と、それが制度の中にどのように埋め込まれてきたかを論じた。今回はそれに続いて、日本政治を半世紀にわたって支配してきた自民党的な統治構造——その原点である「55年体制」につい…

日本政治のトリレンマ①:官僚思考政治とは何か

なぜ、日本政治は変われないのか。その答えの一端は、「三つのジレンマ」が絡み合っていることにあるのではないかと、私は考えている。 それはすなわち、①官僚思考政治②自民党的政策の構造③強い野党の不在である。 本シリーズでは、この“日本政治のトリレン…

財務省前デモより大事なこととは?

正直に言うと、財務省前デモに意味があるとは思えない。 ・天下り禁止・国税庁の分離(歳入庁設立)・主計局の廃止・予算編成権の内閣への移管 以上の4点がデモを行っている人々の主な主張らしい。 この4点が大事ではないとは言わないが、財務省前でデモを行…

電気料金の裏側:再エネ賦課金23.5兆円の行方

再エネ賦課金は、日本で再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなど)の普及を促進するために導入された制度であり、その根幹となるのは、2012年7月1日に施行された「再生可能エネルギー特別措置法」(再エネ特措法)だ。この法律に基づ…

詐欺師が仕掛ける見えない戦争:今すぐできる対策とは?

先日、ミャンマーの犯罪組織摘発がきっかけで、中国系の犯罪集団による大規模なオンライン詐欺が問題視されている。 ミャンマーが犯罪組織の拠点に選ばれたのは理由があり、元々、「ゴールデン・トライアングル(タイ、ミャンマー、ラオスを結ぶ麻薬取引地帯…

トランプ関税の影響

日本時間4月3日(現地時間4月2日)、アメリカのトランプ大統領は、大規模な輸入関税の引き上げを行うと発表した。日本に影響が大きいとされた自動車に関しても、特段、日本を特別扱いすることはなく、大きな影響を受けると考えられる。 以下、その数字(予測…

足立康史よ何処へ行く?②:政策と政局

前回の『足立康史よ何処へ行く?①』において、足立氏が政界引退を表明したきっかけ、その後の橋下徹氏批判や日本維新の会批判を行なってきた経緯と中身について、かいつまんで整理し解説をしてきた。 足立康史氏の政界引退は、国政に一つの空白を生んだ。し…

足立康史よ何処へ行く?①

私は、野党が再編するとするなら、そのキーマンの一人が政界を引退した足立康史氏だと考えている。 国会会での暴言王と言われたり、質疑の面白さばかりが注目されるが、実は、日本維新の会における知恵袋だったことは、意外に知られていない。野党議員の中で…